第31回秋田県JA大会
農業と地域社会の持続力向上
~人づくり・産地づくり・地域づくり・強いJAづくりを通じて~
意見表明
持続可能な農業の実現
私は、大館市比内町で水稲・枝豆・山の芋・花卉延べ25haを父母と経営して、今年で就農10年目となりました。
本大会の開催にあたって、次代を担う立場から意見表明いたします。
全国的な人口減少・高齢化の流れは我が地域においても同様であり、離農者が後を絶たず、雪だるま式に増える耕作放棄地、作っているのか作らされているのか、わからなくなっている生産者も多いのではないでしょうか。
5年後、10年後はこうした流れが加速することは火を見るより明らかであり、いよいよ農業・農村の置かれている状況が待ったなしの所まで来ていることは間違いないようです。
本大会議案の「持続可能な農業の実現」について考えます。
持続可能な農業には二面性があり、一つは経済事業としての農業であるということ。すなわち、良いものを沢山作って高く売る、コストを下げる、お金を稼ぐための基盤を確立して持続させるということです。もう一つは「地域農業」「地域社会」「地域資源」という面であり、農業には地域を守り続けて行く使命が備わっているということです。
私自身、一農業者として農業に従事するとともに、消防団など生活支援活動や村の環境美化活動にも積極的に参加しています。そこでの地域住民との「対話」の中で見えてくることは、彼らは、同じ農村に住む立場として、農業という産業を誇りに思っていること、私にしっかり稼いでこの農村を担って欲しいという想いです。
それらの声に応えるべく、年々、生産規模を拡大してスマート農業の取り組みも始めたところ、確かにいくらかの助けにはなるようでしたが、結局は必要なのは人でした。
確かに雇用も必要なのですが、農業経営者として同じ目線で地域を担っていく仲間が欲しかったので、私は地元の若者を誘いました。農業は初期投資が多く、そもそも上手くいくかどうか確約はできないため無責任なことも言えませんが、出来る限りの協力を行う覚悟でした。興味を示してくれるものの中々思った通りにはなりませんでしたが、一人だけ仲間を作ることに成功しました。元々、家が兼業農家で前々から農業をやりたいと思っていたらしく、私の一声が背中を押したようです。
ただし、こうしたことを一人でやっていると大きな無力感を感じ、結果的に協同組合の大切さを改めて認識することができました。
持続可能な農業を掲げるうえで、人づくりは最重要課題であると考えます。人がいなければ作るも何もありません。現在の担い手や後継者の状況と将来確保すべき組合員数を設定して育成、支援する次世代総点検こそ、JAグループと生産者が総力を挙げて取り組むべきものです。
同様の課題認識、境遇を抱えた地域は、全国津々浦々ごまんとあることでしょう。本来ならば「県1JA構想」により、秋田県農業が全国のJAのお手本と成るはずでしたが、足並みの揃わない状況で頓挫しているものと思われます。先ず以って、オール秋田が出来ない時点で「持続可能な農業の実現」はありえません。今一度、足元から、各組織単位で、現場ととことん対話をする必要があるのではないでしょうか。
特に青年農業者の意見は重要です。担い手という観点から、青年農業者は地域農業の主役です。主役の言葉が無ければストーリーは作れません。青年農業者の声を是非とも聞いてください。そのことを申し添え、私の意見表明といたします。
安心して暮らせる豊かな地域社会の実現
ただいま、ご紹介いただきました、JAあきた女性組織協議会 副会長の佐々木と申します。本日の大会議案について意見を述べさせていただきます。
私は主人と息子、主人の父と母の5人で暮らしています。
父は40年ほど前に事故に会い、車いすでの生活をしており、現在、主人と私の二人で、稲作を中心とした農業を営んでおります。私が暮らす秋田市雄和地区でも例外ではなく、高齢化が進み、耕作放棄地が目立つようになりました。五年ほど前から、我が家でも耕作できなくなった田圃を引き受けています。
本大会議案Ⅱの「安心して暮らせる豊かな地域社会の実現」はとても大きなテーマですが、私たちが日々生活する上で、とても重要なことです。
コロナ禍にあり、女性部活動は大きな壁にぶつかりました。これまで女性部は、仲間と集い、食や農業など、くらしのための学習や活動をしてきました。私たちにとって、「集まる」ことは仲間と「つながる」ことです。今、それが、できないことの難しさを実感しています。
活動を継続するために、各自が家でできて、思いを共有できる活動として、また、SDGsの誰一人取り残さないに繋がる「シトラスリボンづくり」に取り組み、全県に大きな輪が広がったように感じました。
しかし、仲間と集い、にぎやかに活動ができなくなったことにより、人との、つながりが薄くなっていることも感じています。
このような状況の中、大会議案にある 「組織づくり、くらしの活動」の中に光を見出すことができました。
女性部も高齢化が進み、活動できないからと、辞める部員も多く、部員の減少が課題ですが、活動を継続するためにこそ「健康寿命100歳プロジェクト」にこれまで以上に取り組み「こころ」と「からだ」の健康と、人との「つながり」をもって、地域住民の健康増進を目指す必要があると考えます。
私は、10年ほど前に認知症サポーターになりました。地域の高齢化が進むと同時に、ちょっと大丈夫かなと思う高齢者を目にすることが増えました。
今、認知症はとても身近なものとなっています。JAの職員はとくに接することが多いのではないでしょうか?全てのJAの職員が認知症サポーターであれば、地域住民の安心につながると思います。私たち女性部も認知症サポーター養成やフレイル予防、健康体操などを行うことで、JAが目指すJA版地域包括ケアシステムの一端を、私たち女性部も取り組むことで役割を発揮していきます。
また、食農教育も私たちの活動の一つです。
JAとともに「食」と「農」を基軸として活動している私たちは、子育て世代や次世代を担う子供たちに「食」と「農」の大切さをつなげていくための、体験のお手伝いをしています。郷土食づくりや農作業体験。いずれ、この活動が「食」と「農」の理解だけでなく「JA」の理解にもつながるように、そして、将来、地域の農業を支える応援者になることを願っています。
近年、自然災害が頻発していいます。地球温暖化の問題が叫ばれ中、「次の世代へ大切な自然環境を残す」ため、生産現場や生活の場から身近にできる取り組みを進めます。
マイバック持参運動やマイボトル運動などのエコ活動はもとより、防災への備えのための防災学習運動を促進し、災害が起きた際には自らを守ることはもちろんですが、JA女性組織綱領「たすけあいのある、住みよい地域社会づくり」にあるように、女性部らしい助け合いのある地域を目指します。
私たちは協同組合であるJAを拠り所として活動している組織だからこそ、「つながり」を大切にJAとともに地域貢献に取り組み地域の元気を目指します。
終わりに、今大会において決定された事項が「JAグループ秋田が目指すべき姿」として、一丸となって取り組まれること、それによってテーマである「農業と地域の持続力向上」につながることを祈念して、私の意見表明とさせていただきます。
目指す姿を実現する強いJAづくり
10月29日の第29回JA全国大会において、「持続可能な農業・地域共生の未来づくり」が決議され、本日、この決議を念頭に置いた秋田県JAの目指す姿が提示されています。これは農業、JAを次世代に継承するために、共に未来を創り出す挑戦を求める提示と考えます。
私は、50代のある農家からこんな声を頂きました。「米価の下落により経営が苦しくなったが、頑張って農機を更新したい。自分の代で農業を終わりたくはないが、公務員の倅には無理だし、周りに声をかけても相手にしてくれない。自分の動けるうちは頑張るが、その後はあきらめている。」というものでした。
この声を変えるには、我々JAこそが変わらなければなりません。人口減少率全国一位の秋田県において、新たな挑戦をしなければ先祖から引き継いだ豊かな土壌を失ってしまいます。
今、農業とJAは存亡の危機に置かれています。
脱炭素社会の実現とSDGsの取り組み、化学農薬・化学肥料の使用低減と有機農業の耕地面積拡大等みどりの食料システム戦略など、大きな時代の転換期に立っています。これらは我々の生活や考え方、農業生産方法の変化を求めるものですが、私たちが力を合わせるならば、終焉を迎えうる危機から、持続可能性のある未来を築くことができると考えます。ゆえに協力し結束して取り組むことは時代の要請でもあります。
さらに足下を見れば、米価は下がり、燃油や農業資材の価格高騰が続き、農業経営の継続性が危ぶまれる状況です。
こうした中、JAは何をしなければならないのか。危機だからこそ農家、組合員の利益を第一に考え、利己的ではない利他の心を持ち、勇気を持って協力し合い挑戦することが必要だと考えます。
秋田しんせいは「ともに考え、ともに行動し、ともに喜び合える」ことを目指します。地域住民の利便性を一番に考えて取り組むことを大方針とし、金融店舗は地域の拠点と位置づけ、農業経営支援室を創設し、農業研修施設を創設、活用して、新規就農者を育成、高収益作物の振興を図り、農家所得を上げ、農業者を維持拡大します。また、加工品により食べて農業を応援する人や准組合員を増やすことで、農業関係人口を増やし地域農業を持続可能なものにしたいと考えています。
しかしながら、農家所得を増大するには、肥料・農薬と農産物を集約して資材単価を下げることや卸市場の単価を高めるなど全県単位の挑戦が不可欠であり、JAと全農をはじめ連合会の一体となった協力と連携がなければ実現できません。さらに地銀等が県外他行とのアライアンスによる経営基盤強化を行う中、JAは早期警戒制度の改正により、これまで以上の収益力と経営健全性の確保が求められているため、全県JAの協力体制の強化が必要と考えます。
私は、離農や耕作放棄が懸念される中、「自分の田んぼのことだけを考えて地域の農業を守ることができるのだろうか」と自問自答してきました。他の人の田んぼのことを考えなければ、自分の田んぼに水を引くことはできず、荒れ地だらけの中で田んぼを作っていくことは難しいとの思いから、協力を呼び掛け、次世代へ繋げる想いを語り、集落ぐるみで農事組合法人を立ち上げました。「農業をやりたい人が就農できるよう給与制や福利厚生のある経営体にすることが、田んぼを守り次の世代を作る」との目指す姿を掲げ、幸い今年1人の若者を雇用できましたが、法人経営にはまだまだ苦難の道が続いています。
私は家族経営を否定するわけではなく、多様な経営体があって然るべきだと思います。ただし、農家が減少する中で孤立してはいけないと考えます。
次世代に継承できる未来を創るために、力を合わせ一つとなって取り組むことが必要であり、このことはJAにおいても不断の自己改革を実践するための大きな力となり、より良い未来を創り出すための一歩となると考えます。
終わりに、本大会の決議とする農業と地域社会の持続力向上の姿は、目指す姿を達成するために「ともに考え、ともに行動し、ともに喜び合える」取り組みを行う姿であり、力を合わせて勇気を持って挑戦して、我々の未来を創り出していく道を歩む姿であると申し上げて、私の意見といたします。
私は、大館市比内町で水稲・枝豆・山の芋・花卉延べ25haを父母と経営して、今年で就農10年目となりました。
本大会の開催にあたって、次代を担う立場から意見表明いたします。
全国的な人口減少・高齢化の流れは我が地域においても同様であり、離農者が後を絶たず、雪だるま式に増える耕作放棄地、作っているのか作らされているのか、わからなくなっている生産者も多いのではないでしょうか。
5年後、10年後はこうした流れが加速することは火を見るより明らかであり、いよいよ農業・農村の置かれている状況が待ったなしの所まで来ていることは間違いないようです。
本大会議案の「持続可能な農業の実現」について考えます。
持続可能な農業には二面性があり、一つは経済事業としての農業であるということ。すなわち、良いものを沢山作って高く売る、コストを下げる、お金を稼ぐための基盤を確立して持続させるということです。もう一つは「地域農業」「地域社会」「地域資源」という面であり、農業には地域を守り続けて行く使命が備わっているということです。
私自身、一農業者として農業に従事するとともに、消防団など生活支援活動や村の環境美化活動にも積極的に参加しています。そこでの地域住民との「対話」の中で見えてくることは、彼らは、同じ農村に住む立場として、農業という産業を誇りに思っていること、私にしっかり稼いでこの農村を担って欲しいという想いです。
それらの声に応えるべく、年々、生産規模を拡大してスマート農業の取り組みも始めたところ、確かにいくらかの助けにはなるようでしたが、結局は必要なのは人でした。
確かに雇用も必要なのですが、農業経営者として同じ目線で地域を担っていく仲間が欲しかったので、私は地元の若者を誘いました。農業は初期投資が多く、そもそも上手くいくかどうか確約はできないため無責任なことも言えませんが、出来る限りの協力を行う覚悟でした。興味を示してくれるものの中々思った通りにはなりませんでしたが、一人だけ仲間を作ることに成功しました。元々、家が兼業農家で前々から農業をやりたいと思っていたらしく、私の一声が背中を押したようです。
ただし、こうしたことを一人でやっていると大きな無力感を感じ、結果的に協同組合の大切さを改めて認識することができました。
持続可能な農業を掲げるうえで、人づくりは最重要課題であると考えます。人がいなければ作るも何もありません。現在の担い手や後継者の状況と将来確保すべき組合員数を設定して育成、支援する次世代総点検こそ、JAグループと生産者が総力を挙げて取り組むべきものです。
同様の課題認識、境遇を抱えた地域は、全国津々浦々ごまんとあることでしょう。本来ならば「県1JA構想」により、秋田県農業が全国のJAのお手本と成るはずでしたが、足並みの揃わない状況で頓挫しているものと思われます。先ず以って、オール秋田が出来ない時点で「持続可能な農業の実現」はありえません。今一度、足元から、各組織単位で、現場ととことん対話をする必要があるのではないでしょうか。
特に青年農業者の意見は重要です。担い手という観点から、青年農業者は地域農業の主役です。主役の言葉が無ければストーリーは作れません。青年農業者の声を是非とも聞いてください。そのことを申し添え、私の意見表明といたします。
ただいま、ご紹介いただきました、JAあきた女性組織協議会 副会長の佐々木と申します。本日の大会議案について意見を述べさせていただきます。
私は主人と息子、主人の父と母の5人で暮らしています。
父は40年ほど前に事故に会い、車いすでの生活をしており、現在、主人と私の二人で、稲作を中心とした農業を営んでおります。私が暮らす秋田市雄和地区でも例外ではなく、高齢化が進み、耕作放棄地が目立つようになりました。五年ほど前から、我が家でも耕作できなくなった田圃を引き受けています。
本大会議案Ⅱの「安心して暮らせる豊かな地域社会の実現」はとても大きなテーマですが、私たちが日々生活する上で、とても重要なことです。
コロナ禍にあり、女性部活動は大きな壁にぶつかりました。これまで女性部は、仲間と集い、食や農業など、くらしのための学習や活動をしてきました。私たちにとって、「集まる」ことは仲間と「つながる」ことです。今、それが、できないことの難しさを実感しています。
活動を継続するために、各自が家でできて、思いを共有できる活動として、また、SDGsの誰一人取り残さないに繋がる「シトラスリボンづくり」に取り組み、全県に大きな輪が広がったように感じました。
しかし、仲間と集い、にぎやかに活動ができなくなったことにより、人との、つながりが薄くなっていることも感じています。
このような状況の中、大会議案にある 「組織づくり、くらしの活動」の中に光を見出すことができました。
女性部も高齢化が進み、活動できないからと、辞める部員も多く、部員の減少が課題ですが、活動を継続するためにこそ「健康寿命100歳プロジェクト」にこれまで以上に取り組み「こころ」と「からだ」の健康と、人との「つながり」をもって、地域住民の健康増進を目指す必要があると考えます。
私は、10年ほど前に認知症サポーターになりました。地域の高齢化が進むと同時に、ちょっと大丈夫かなと思う高齢者を目にすることが増えました。
今、認知症はとても身近なものとなっています。JAの職員はとくに接することが多いのではないでしょうか?全てのJAの職員が認知症サポーターであれば、地域住民の安心につながると思います。私たち女性部も認知症サポーター養成やフレイル予防、健康体操などを行うことで、JAが目指すJA版地域包括ケアシステムの一端を、私たち女性部も取り組むことで役割を発揮していきます。
また、食農教育も私たちの活動の一つです。
JAとともに「食」と「農」を基軸として活動している私たちは、子育て世代や次世代を担う子供たちに「食」と「農」の大切さをつなげていくための、体験のお手伝いをしています。郷土食づくりや農作業体験。いずれ、この活動が「食」と「農」の理解だけでなく「JA」の理解にもつながるように、そして、将来、地域の農業を支える応援者になることを願っています。
近年、自然災害が頻発していいます。地球温暖化の問題が叫ばれ中、「次の世代へ大切な自然環境を残す」ため、生産現場や生活の場から身近にできる取り組みを進めます。
マイバック持参運動やマイボトル運動などのエコ活動はもとより、防災への備えのための防災学習運動を促進し、災害が起きた際には自らを守ることはもちろんですが、JA女性組織綱領「たすけあいのある、住みよい地域社会づくり」にあるように、女性部らしい助け合いのある地域を目指します。
私たちは協同組合であるJAを拠り所として活動している組織だからこそ、「つながり」を大切にJAとともに地域貢献に取り組み地域の元気を目指します。
終わりに、今大会において決定された事項が「JAグループ秋田が目指すべき姿」として、一丸となって取り組まれること、それによってテーマである「農業と地域の持続力向上」につながることを祈念して、私の意見表明とさせていただきます。
目指す姿を実現する強いJAづくり
10月29日の第29回JA全国大会において、「持続可能な農業・地域共生の未来づくり」が決議され、本日、この決議を念頭に置いた秋田県JAの目指す姿が提示されています。これは農業、JAを次世代に継承するために、共に未来を創り出す挑戦を求める提示と考えます。
私は、50代のある農家からこんな声を頂きました。「米価の下落により経営が苦しくなったが、頑張って農機を更新したい。自分の代で農業を終わりたくはないが、公務員の倅には無理だし、周りに声をかけても相手にしてくれない。自分の動けるうちは頑張るが、その後はあきらめている。」というものでした。
この声を変えるには、我々JAこそが変わらなければなりません。人口減少率全国一位の秋田県において、新たな挑戦をしなければ先祖から引き継いだ豊かな土壌を失ってしまいます。
今、農業とJAは存亡の危機に置かれています。
脱炭素社会の実現とSDGsの取り組み、化学農薬・化学肥料の使用低減と有機農業の耕地面積拡大等みどりの食料システム戦略など、大きな時代の転換期に立っています。これらは我々の生活や考え方、農業生産方法の変化を求めるものですが、私たちが力を合わせるならば、終焉を迎えうる危機から、持続可能性のある未来を築くことができると考えます。ゆえに協力し結束して取り組むことは時代の要請でもあります。
さらに足下を見れば、米価は下がり、燃油や農業資材の価格高騰が続き、農業経営の継続性が危ぶまれる状況です。
こうした中、JAは何をしなければならないのか。危機だからこそ農家、組合員の利益を第一に考え、利己的ではない利他の心を持ち、勇気を持って協力し合い挑戦することが必要だと考えます。
秋田しんせいは「ともに考え、ともに行動し、ともに喜び合える」ことを目指します。地域住民の利便性を一番に考えて取り組むことを大方針とし、金融店舗は地域の拠点と位置づけ、農業経営支援室を創設し、農業研修施設を創設、活用して、新規就農者を育成、高収益作物の振興を図り、農家所得を上げ、農業者を維持拡大します。また、加工品により食べて農業を応援する人や准組合員を増やすことで、農業関係人口を増やし地域農業を持続可能なものにしたいと考えています。
しかしながら、農家所得を増大するには、肥料・農薬と農産物を集約して資材単価を下げることや卸市場の単価を高めるなど全県単位の挑戦が不可欠であり、JAと全農をはじめ連合会の一体となった協力と連携がなければ実現できません。さらに地銀等が県外他行とのアライアンスによる経営基盤強化を行う中、JAは早期警戒制度の改正により、これまで以上の収益力と経営健全性の確保が求められているため、全県JAの協力体制の強化が必要と考えます。
私は、離農や耕作放棄が懸念される中、「自分の田んぼのことだけを考えて地域の農業を守ることができるのだろうか」と自問自答してきました。他の人の田んぼのことを考えなければ、自分の田んぼに水を引くことはできず、荒れ地だらけの中で田んぼを作っていくことは難しいとの思いから、協力を呼び掛け、次世代へ繋げる想いを語り、集落ぐるみで農事組合法人を立ち上げました。「農業をやりたい人が就農できるよう給与制や福利厚生のある経営体にすることが、田んぼを守り次の世代を作る」との目指す姿を掲げ、幸い今年1人の若者を雇用できましたが、法人経営にはまだまだ苦難の道が続いています。
私は家族経営を否定するわけではなく、多様な経営体があって然るべきだと思います。ただし、農家が減少する中で孤立してはいけないと考えます。
次世代に継承できる未来を創るために、力を合わせ一つとなって取り組むことが必要であり、このことはJAにおいても不断の自己改革を実践するための大きな力となり、より良い未来を創り出すための一歩となると考えます。
終わりに、本大会の決議とする農業と地域社会の持続力向上の姿は、目指す姿を達成するために「ともに考え、ともに行動し、ともに喜び合える」取り組みを行う姿であり、力を合わせて勇気を持って挑戦して、我々の未来を創り出していく道を歩む姿であると申し上げて、私の意見といたします。
10月29日の第29回JA全国大会において、「持続可能な農業・地域共生の未来づくり」が決議され、本日、この決議を念頭に置いた秋田県JAの目指す姿が提示されています。これは農業、JAを次世代に継承するために、共に未来を創り出す挑戦を求める提示と考えます。
私は、50代のある農家からこんな声を頂きました。「米価の下落により経営が苦しくなったが、頑張って農機を更新したい。自分の代で農業を終わりたくはないが、公務員の倅には無理だし、周りに声をかけても相手にしてくれない。自分の動けるうちは頑張るが、その後はあきらめている。」というものでした。
この声を変えるには、我々JAこそが変わらなければなりません。人口減少率全国一位の秋田県において、新たな挑戦をしなければ先祖から引き継いだ豊かな土壌を失ってしまいます。
今、農業とJAは存亡の危機に置かれています。
脱炭素社会の実現とSDGsの取り組み、化学農薬・化学肥料の使用低減と有機農業の耕地面積拡大等みどりの食料システム戦略など、大きな時代の転換期に立っています。これらは我々の生活や考え方、農業生産方法の変化を求めるものですが、私たちが力を合わせるならば、終焉を迎えうる危機から、持続可能性のある未来を築くことができると考えます。ゆえに協力し結束して取り組むことは時代の要請でもあります。
さらに足下を見れば、米価は下がり、燃油や農業資材の価格高騰が続き、農業経営の継続性が危ぶまれる状況です。
こうした中、JAは何をしなければならないのか。危機だからこそ農家、組合員の利益を第一に考え、利己的ではない利他の心を持ち、勇気を持って協力し合い挑戦することが必要だと考えます。
秋田しんせいは「ともに考え、ともに行動し、ともに喜び合える」ことを目指します。地域住民の利便性を一番に考えて取り組むことを大方針とし、金融店舗は地域の拠点と位置づけ、農業経営支援室を創設し、農業研修施設を創設、活用して、新規就農者を育成、高収益作物の振興を図り、農家所得を上げ、農業者を維持拡大します。また、加工品により食べて農業を応援する人や准組合員を増やすことで、農業関係人口を増やし地域農業を持続可能なものにしたいと考えています。
しかしながら、農家所得を増大するには、肥料・農薬と農産物を集約して資材単価を下げることや卸市場の単価を高めるなど全県単位の挑戦が不可欠であり、JAと全農をはじめ連合会の一体となった協力と連携がなければ実現できません。さらに地銀等が県外他行とのアライアンスによる経営基盤強化を行う中、JAは早期警戒制度の改正により、これまで以上の収益力と経営健全性の確保が求められているため、全県JAの協力体制の強化が必要と考えます。
私は、離農や耕作放棄が懸念される中、「自分の田んぼのことだけを考えて地域の農業を守ることができるのだろうか」と自問自答してきました。他の人の田んぼのことを考えなければ、自分の田んぼに水を引くことはできず、荒れ地だらけの中で田んぼを作っていくことは難しいとの思いから、協力を呼び掛け、次世代へ繋げる想いを語り、集落ぐるみで農事組合法人を立ち上げました。「農業をやりたい人が就農できるよう給与制や福利厚生のある経営体にすることが、田んぼを守り次の世代を作る」との目指す姿を掲げ、幸い今年1人の若者を雇用できましたが、法人経営にはまだまだ苦難の道が続いています。
私は家族経営を否定するわけではなく、多様な経営体があって然るべきだと思います。ただし、農家が減少する中で孤立してはいけないと考えます。
次世代に継承できる未来を創るために、力を合わせ一つとなって取り組むことが必要であり、このことはJAにおいても不断の自己改革を実践するための大きな力となり、より良い未来を創り出すための一歩となると考えます。
終わりに、本大会の決議とする農業と地域社会の持続力向上の姿は、目指す姿を達成するために「ともに考え、ともに行動し、ともに喜び合える」取り組みを行う姿であり、力を合わせて勇気を持って挑戦して、我々の未来を創り出していく道を歩む姿であると申し上げて、私の意見といたします。