2019.06.26
サクランボが旬を迎え、出荷の最盛期に入ったJAこまち管内で、一つのつるに三つの実がなっている、珍しい三つ子のサクランボが見つかった。
三つ子サクランボは、湯沢市三関地区の藤山政弘さんの園地で、6月25日に収穫された佐藤錦のうちのひとつ。藤山さんは「一つのつるに実が二つ着く双子のサクランボは毎年ある程度見るが、実が三つで、しかもこれほど大きく立派についているものは、40年以上生産をしていて初めて」と驚きを隠せない様子だ。
JAの沼沢雅明中央総合支店営農経済センター長によれば、サクランボの双子・三つ子は、花に複数の雌しべ(花芽)がつく、生理障害の一種だという。全ての雌しべがうまく授粉し果実に成長すると、双子、稀に三つ子になる。沼沢センター長は「狙って生産できるものではない。良好な天候もあり着果が良好であった証拠だろう」と話す。また、管内では開花期から続く晴天少雨の影響で甘みの強い果実が生産されているが、こうした果実の食味も、他のサクランボとほぼ変わらず美味しいという。
ただし、こうした果実は出荷規格外となるため、生産者が自家消費する場合が多く、消費者の目に触れる機会はほとんどない。藤山さんの息子の大輔さんは「三関地区にも、サクランボ狩りのできる園地があるので、そうしたところで見ることができるかもしれない。三つ子を見つけるには運が必要だけれど、宝探しのように楽しみながら、旬の美味しいサクランボを味わってほしい」と話している。
管内のサクランボは6月中旬から出荷が始まり、生産のピークは7月上旬。出荷は7月の中旬まで続く予定だ。