秋田県と、横手・湯沢の両市は23日、横手市で昨冬の大雪による果樹被害からの早期復興を目指すため「果樹産地復興がんばろう大会」を開き、生産者や県内市場、県や行政、2JA、関係団体など91人が参加した。
開会にあたり県農林水産部佐藤幸盛部長が「果樹産地が復興に向かうため、この大会を契機に雪害から学んだことを活かし、取り組んでほしい。県としても皆さんを全面的に支援していきたい」とあいさつした。
21年産JA秋田ふるさと産の集出荷状況は前年比としてリンゴが48%、ぶどう42%、桃72%、桜桃62%とそれぞれ減収となった。販売単価は全国的な果実の品薄傾向により高値で推移したものの雪害の減収分までは至らず、21年度の販売額は約10億円(前年比約60%)に留まる見込み。
生産者決意表明では、粟津信幸JA秋田ふるさとりんご部会長が「10年前の雪害から徐々に復興してきた果樹も、昨冬の豪雪で、今年のりんご生産は無理だと思った。県や市の手厚い補助事業があったおかげで生産者一同前向きに復興作業に取り組むことが出来た。全国で心待ちにしているファンの方々のためにも我々果樹農家は歴史ある果樹産地を必ずや復興させてみせる」と熱く述べ、遠田幸作JAこまち果樹部会長とともに果樹復興に向けた決意を述べた。
JA秋田ふるさと佐藤誠一組合長とJAこまち遠田武組合長がガンバロー三唱を行い意思統一を図った。
昨冬の横手市の大雪による農業被害は約45億4千万円に上り、果樹(樹体)の被害額は約25億2千万円となっている。
11年の果樹被害は約27億8千万円で、昨冬の被害額は2億円超下回ったものの、果樹の栽培面積は当時と比べて2割ほど減っており市農業振興課は「被害は10年前に匹敵する」と話している。
果樹被害の内訳は、リンゴ約18億7千万円、ブドウ3億5千万円、モモ1億6千万円などとなっている。
横手市は、気象状況の迅速な情報発信、雪害に強い樹形管理や対策技術指導、産官学連携の永久果樹支柱の開発や薬剤助成などを「横手モデル」としてJAと連携し果樹産地復興に向け取り組む方針だ。
【秋田ふるさと】「果樹産地復興がんばろう大会」・雪害からの復興に向け意思統一
2021.12.23